51歳の男、会社員です。私には高校1年生の息子がいます。妻と息子の三人家族です。
結婚して20年、いろいろなことが夫婦間にありました。ちょっとしたケンカは日常茶飯事でしたが、大喧嘩したときに妻が実家へ帰ったり、私の浮気がバレて家から出ていけと言われたり…それでも楽しく暮らせている今があるのは、息子がいてくれたからです。
子供は両親のことをよく見ている
子供が幼稚園の頃になると、私たち夫婦がケンカしていると敏感にそれを感じ取って「今日ママおかしいね」とか「パパ怒ってるの?」とか聞いてくるようになりました。
小さな子供でもちょっとした違いがわかるのだなあと感心し、ケンカしているのが恥ずかしくなってすぐに仲直りするように心がけました。
ある時は、「ハイ、ママからお手紙」と小さなメモ用紙を折ったものを私に届けてきて、中を見ると「ごめんね」と妻からの手紙が。そんなこともありました。
私の不甲斐なさから危機に…
夫婦仲は順風満帆ではなく、様々な試練もありました。
その典型が私の浮気です。私が30代の後半だったころ、元カノと不倫関係に陥りました。元カノも結婚して子供がいましたが、ある時メッセージを送ったのがきっかけで焼けぼっくいに火がついてしまったのです。
お互いの家庭で家族に嘘をつきながら月に1度のペースで密会を重ねました。地元では出歩けないので、車で1時間ほどの街まで行っては彼女と会っていたのです。
しかしある日、彼女との密会現場を妻の友人に見られてしまいました。そして妻に浮気のことがバレて、「もういいからどっか行って!」と家を追い出されて、2週間ほどホテル暮らしを続けました。
危機から救ってくれたのも子供
このまま離婚してしまうのかなあと思っていたところ、突然妻から電話がありました。
妻の携帯電話からの着信だったのですが、相手は小学生の息子でした。「パパ、早く帰ってきな」と息子が言うと、電話がすぐに切れました。
浮気したことを大して反省していなかった私ですが、息子のその言葉を聞いて自己嫌悪に襲われました。「俺は何バカなことをしてたんだ!」と猛烈に反省し、すぐにホテルをチェックアウトして自宅へ帰りました。
子供はもう寝ていましたが、妻の前で土下座し、許しを請いました。「ちゃんと私たちのことを大切にしてよ」という妻の目にも涙が溢れていました。
「子はかすがい」
その日から私は生まれ変わりました。何をするのも、どこへ行くのも、全て家族を優先しました。自分のことは二の次にしました。
全力で家族のために働いて、全力で家族を愛する人間になったのです。
いつしか私の浮気のことを妻は完全に許してくれました。あの息子の一言で私の人生は救われたのです。
「子はかすがい」…まさにその通りです。
著者:そやねん
性別:男性
年齢:51歳
51歳の会社員です。妻と一人息子の三人で暮らしています。