結婚とは何か!還暦を迎えた私が考える結婚観とは

「結婚とは人生の戦場(いくさば)である。」

 

息子の結婚式の最後の父親のスピーチで、私はそう話し始めました。

生まれて二十数年全く違う環境で生きて来た二人が、これから長い人生を共に暮らして行く為には相当な試練が待ち構えている、という意味の事を話しました。
少々、結婚式の父親の挨拶としては、相応しくないのかもしれませんが、これが私の結婚観の実際なのです。

 

生まれ育ちを異にする人間が、一つの家族として生きて行く事がそんなに簡単で美しいだけのものである筈がありません。
その事を私に教えたのは過去のある出来事でした。

人生を全うさせるという事

その頃、仕事に行き詰って悩んでいた私は、悩みに悩んで自殺さえ選択肢の一つに入る程の状態でした。
今から振り返ると本気で死ぬとは考えていなかったのですが、死を頭の中で弄びながら、ふと妻の人生について考えが及びました。
二十歳で私と結婚して、さらに二十余年の彼女の半生は、私が死んでいなくなったらどういう意味が残るのだろうと考えたのです。

 

子供を産み育て、私の食事を作り、部屋を綺麗に掃除して生きて来た彼女の半生は、全く意味を持たない無駄な時間と成り果てるのです。
私が自殺したら、妻の人生の半分を完全に私が潰してしまう事になると気付きました。

 

そうです。彼女は、彼女の人生を全てを私に託してくれていたのです。
私は預けられた一人の女の人生を、全うさせなければならない立場だったのです。
その事の重大さに私は愕然としました。

結婚の意味を悟る

それはお金など物質的な生活の意味ではありません。
人の一生という、目にも見えず重さも形もない、しかしながら何物にも代える事のできない大切なものでした。
ある意味、それは生物的な命を超えるものかもしれません。
それ程のものを相手に全面的に預けてしまう事が結婚だと、私は初めて悟りました。

 

私にはそれまで結婚にそれ程の覚悟はありませんでした。せいぜい妻を養う責任とそれに釣り合うだけの愛情を持つ程度でした。
もちろん妻にもそんな悲壮な意識があったとは思えません。
しかし考えてみれば、否応なく結婚とはそういうものなのです。

それでも結婚って良いもの

これから以後は自分の番だと私は思う様になりました。残りの私の人生を妻に捧げるつもりで生きてみようと思っています。
ただしその事は妻には内緒です。そんな大げさな事を面と向かって言える筈がありません。
また自分程度の人間が、だからといって実際にどれだけ実行できるかも分りません。
でも私の残りの人生の目標は、密かにその一点である事に偽りはありません。

 

「色々、バラ色の結婚生活をぶち壊す様な話をしましたが、最後に絶対間違いのない言葉を二人に送りたいと思います。それでも、それでも結婚ってとてもイイものですよ。」
私はそうスピーチを締め括りました。

著者:dqgdf006

性別:男性

年齢:63歳

隠れ愛妻家です。

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