介護と家族の在り方とは!介護経験者が伝えたい大切なこと

介護

人は必ず、加減や程度は異なれど介護をする立場と介護をされる立場を経験します。しかし、介護というのは時期や期間が決まっているものではんく、ある日突然に始まることが多いです。

 

私が介護をする立場になったのは20代の前半でした。

この記事では、私の経験を通して介護をしている方やこれから介護をする方、また今後介護をされる方に向けて、私なりの介護生活から得た教訓をご紹介していきたいと思います。

当然始まった介護生活

私の介護生活は20代前半のある日突然始まりました。
生まれた時からずっと一緒に暮らしてきた祖母が圧迫骨折をしたことをキッカケに、寝たきり生活になり痴呆症状も出てきたのです。
ちょうど私はその時、通信制の学校を修了して仕事を探している時でしたので無職でした。ですから家にいるということで、必然的に介護をするようになったのです。

 

介護は主に母と私と2人で行いました。ただ、母も私も初めてのことでしたし今ほど介護に関する情報も多くはなく、本当に毎日手探り状態でした。
使命感でやっていた部分が大きかったですし、完璧に近いものを求めていました。ここまでやればOKというところが分かりませんでしたし、要介護者である祖母との距離の取り方というのも分からず気持ちに寄り添いすぎて心が疲れたり、日々終わりの見えない介護生活からの閉塞感によるうつ状態が深刻なものになりました。

 

誰かにこの気持ちを聞いてもらいたかったのですが、当時まだ20代前半だと周りに介護を経験している友人はおらず、友人にしても私から介護の話しをされてもピンとこないというのが現実でしたし、仕事や恋愛で充実している人がほとんどでしたので誰にも心の苦しさを打ち明けることはできませんでした。
そのうち母も私も心身ともに限界というところまできて、体調を崩すことが増えました。今思うとストレスによるところが大きかったと思います。
24時間365日、心が安らぐ日などありませんでした。祖母にずっしりと寄りかかられるたびに私の心は重たく沈んでいきました。

介護では”完璧”を求めてはいけない

そんなある日、ついに母と私が共倒れになり、今まで見て見ぬふりをしていた父や親戚にもこれ以上母と私だけで自宅介護するのは無理だと涙ながらに訴えました。
それからデイサービスや訪問介護のサービスを積極的に受けるようになり、私も仕事が見つかり無事に働けるようになりました。

 

この時の経験は身内に対する考え方や価値観を大きく変えました。身内だから寄り添わないといけないと思い込むことがどれほど危険か、自分の心も体も縛ってしまい下手したら人生そのものを諦めてしまうことになります。
私は思いました、誰かや何かのせいにしないで自分の人生を生きるためには、近しい人にどれだけ非情になれるかが重要かということを。
要介護者の希望を聞いていたら本当にキリがありません。どこかで切り捨てることも必要です。たとえそれで介護をしない人や遠方に住んでいて要介護者の言い分しか聞かない親戚にどう思われても構わないという心の強さを持つことが大事です。
もちろん冷たく接しろということではありません。非情というととても嫌な言い方に感じるかもしれませんが、要はどれだけ距離を置けるかということです。

 

私はあの頃若かったということもあってか、何となく使命感のようなものがありました。それは若さゆえのことだったからかもしれません。あれもこれも自分がやることが大事だと思ってしまったのです。
でも、ある程度の距離を置いたほうが良いと感じられたのは仕事に出るようになってからです。普段は仕事で家から離れるようになると、休みの日に介護を頼まれた時に以前ほど心のしんどさを感じなくなりました。

自分の仕事も時間もなく介護一色だったころ辛さは相当なものだったんだと改めて感じたものです。

介護が終わった先にも生活は待っている

時が流れて30代半ば頃から今現在にかけて、今度は両親が次々と病気や怪我で介護とまではいかないですが、見守りや世話が必要になってきました。
これはこれで確かに次から次へとしんどいですが、20代の介護経験が活かされて距離を置くことを心掛けるようにしているおかげか、あの頃ほどの辛さはありません。

 

家族が病気になった時に自分まで同じ病気になったかのように辛くなる必要はないんですよね。病気で辛い家族に合わせて生活することすべてが良いとは限りません。
介護が終わった先も生きて生活していかなければいけないので、今の自分の生活は極力変えない、そのことを最初に強い気持ちを持って伝えておくことが必要です。

自分の気持ちと人生に向き合うことが大切

私は20代の介護生活の時につくづく思いました。介護をしていて偉いね優しいねと褒められるよりも、自分の人生を思いっきり楽しみたいと。

良い娘・良い孫になんてならなくていいと。今でも変わらずそう思っています。

若い時に加減が分からずめいっぱい介護して様々な辛さを経験したおかげで、いざというときに自分を良く見せようとせずに気持ちをハッキリ言える強さを持てました。

 

介護は待ってくれません、ある日突然生活の中に介護が加わる人がほとんどではないでしょうか。
最初の使命感に似た感情だけで引き受けてしまうと自分が辛くなるだけで、自分だけでなく要介護者にとっても何一つ幸せなことはありません。
自宅介護が推奨されている今だからこそ、家族だから身内だからという呪縛に似たものにとらわれず、冷静な目で現実を見ながら自分の今の生活や気持ちと向き合っていくこと、それがまず一番にするべきことではないかと思います。

著者:のりこ

性別:女性

年齢:41歳

自身も体調不良を抱えながら20代前半のある日突然祖母の介護が始まりました。「あなたは優しい」という言葉が呪縛となり何でも引き受けてしまったが故に辛くなった介護生活から得た私なりの考えに、少しでも興味を持っていただけたら幸いです。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします